お酒にまつわる”みどり”

5月4日は「みどりの日」として、日本の国民の祝日に定められています。この祝日は、自然に親しみ、その恩恵に感謝することを目的としたもので、新緑が美しい季節に自然環境の大切さを再確認する日とされています。かつては昭和天皇の誕生日である4月29日が「みどりの日」とされていましたが、2007年の法改正により、現在の5月4日に移されました。森林浴やガーデニング、里山の整備など、自然とのふれあいが各地で推奨されるこの日に、日本文化と深く結びついた“お酒”を改めて見つめ直してみませんか。

自然が育む日本酒とワインの恵み

日本のお酒は、まさに自然の恵みそのものです。米と水から生まれる日本酒、ブドウから生まれるワイン、いずれも原料と気候が品質を大きく左右します。特に日本酒は、「水の文化」が色濃く反映された酒であり、名水百選に選ばれた地域には優れた酒蔵が数多く存在しています。たとえば新潟の軟水、兵庫の硬水、長野の冷涼な気候など、それぞれの土地の個性が酒の味に表れます。また、ワインもまた土壌と日照に左右される農産物の一つ。山梨や長野では、高地の寒暖差を活かした高品質な日本ワインが近年注目を集めています。みどりの日は、こうした“自然が醸すお酒”に思いを馳せる、よい機会です。

自然派志向とお酒の選び方

近年は“自然派”や“サステナブル”をキーワードにした酒造りが増えてきました。無農薬や減農薬の米・ブドウを使った酒、自然酵母を使った発酵、添加物を極力控えた製法など、環境負荷の少ない造りを目指す酒蔵が注目されています。こうしたお酒は味わいにも個性があり、自然そのものの野性味や素朴さが楽しめます。さらに、瓶やラベルにリサイクル素材を用いたり、森林保全活動に売上の一部を寄付する酒造会社も登場しています。私たちがみどりの日に選ぶお酒も、そうした背景に目を向けることで、自然を守る意識に一歩近づけるのではないでしょうか。

スナック文化と“自然体”の会話

一見、自然とは無縁に思えるスナックですが、実は「人間の自然さ」に回帰できる場所として再評価されています。スナックでは、肩書や立場を超えて“ありのまま”の自分で会話ができ、形式ばらない交流が生まれます。ママの気遣いやカウンター越しの一杯が、自然体のコミュニケーションを引き出すのです。とくに地方のスナックでは、地元の素材を活かした酒やおつまみが提供されており、「地酒×地元の会話」の組み合わせはまさにその土地の“風土”を味わうひとときです。自然の中で育まれた酒を、自然な会話の中で楽しむ――スナックはそんな空間を提供してくれます。

まとめ:自然を想い、お酒を選ぶ一日を

5月4日「みどりの日」は単に森林や植物とふれあうだけでなく、自然の恵みが生んだものに感謝する日でもあります。その中にある“お酒”は、日本の風土と文化を体現する存在です。自然の水や土から生まれた酒を味わい、自然を守る造り手に思いを馳せ、スナックという“人の自然”が溶け込む場で交流する。そんな過ごし方こそ、「みどりの日」にふさわしい一日なのではないでしょうか。今日は少しだけラベルの裏を読み、お酒の背景にある“みどり”を感じてみませんか。